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銀座六丁目すずらん通り(SUZURAN STREET)を
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銀座コラム vol.11こだわりのいっぴん【その3】

滋味深く、奥行きのある味わいの料理
「いちじくのふろふき」を魯山人の器と共に

割烹 中嶋 中島貞彦

創業90年、昭和6年(1931年)から続く銀座の日本料理店「割烹 中嶋」。創業者の中島貞治郎氏は、偉大な芸術家であり、類まれな美食家としても知られる北大路魯山人の「星岡茶寮(ほしがおかさりょう)」の初代料理長を勤めていたとのこと。その、繊細な味わいと伝統を今に引き継ぐ「割烹 中嶋」三代目の中島貞彦さんに、こだわりのいっぴんについてお聞きしました。

「割烹 中嶋」は、昭和6年祖父の中島貞治郎が銀座のこの地に創業しました。もともとは、北大路魯山人らが赤坂で始めた「星岡茶寮(ほしがおかさりょう)」の初代料理長を祖父が勤めていました。きっかけは、当時「錦水」という料亭で煮方(にかた)として働いているところを、魯山人からスカウトされたとのことです。北大路魯山人という人は、画家、陶芸家、書道家、料理家、美食家、すべて超一流の顔を持つ稀有な芸術家で、料理マンガの主人公のモデルにもなった人物です。当時、会員制の料理店「美食俱楽部」を発足させていて、星岡茶寮も同じ基本概念でした。魯山人の主導する料理は、新鮮な山海の食材を魯山人自らが作った斬新な器に盛り付け、味わいはもちろん、そのトータルのもてなしは最高の料亭と謳われ、多くの政財界の方々や文化人に愛されました。また、一方で、魯山人は激高の人物で、10人の人がいると9人が敵だったともいわれるほど、気性も激しかったと聞いております。

魯山人から薫陶を受けた祖父ですから、同じように激しい気性で小魯山人ともいわれていました。二代目の父親などは、相当厳しく教えられたようです。そんな背景があり、昭和6年に星岡茶寮から独立して、「割烹 中嶋」を創業したというわけです。その時に、魯山人さんから叱咤激励をこめて贈っていただいたのが「中嶋」の看板で、今でも大事に飾らせていただいております。また、多くの食器もいただきました。魯山人の教えと代々「中嶋」に伝わる味と近代的な日本料理の融合をめざして、三代目として日々精進させていただいております。日本料理独特の四季を活かした旬の料理で、お客さまに楽しみながら召し上がっていただくというのが第一ですね。
こだわりのいっぴんは、魯山人が考案して、うちに代々伝わる料理「いちじくのふろふき」。初夏のみご提供できる料理で、イチジクの皮をむき、それを蒸して、上からお味噌をかけます。単純なように見えますが、非常に滋味深く、奥行きのある味わいの料理です。お味噌は、たまみそといって、白みそ、卵黄、みりん、砂糖などで作ります。仕上げにおろしたゆずをふりかけて、完成のいっぴんとなります。
魯山人の「器」と「料理」を、ぜひ当店で楽しんでいただきたいです。

通常の会席コースは3種類 20,000円、15,000円、12,000円(すべて税・サ別)となりますが、特別に魯山人の器とゆかりの料理の魯山人コース 30,000円を用意してあります。あとは季節限定のふぐコース、季節ごとに食材は変わってきます(要予約)。
緊急事態宣言中は休業させていただいております。

銀座六丁目すずらん通り
「割烹 中嶋」限定チケット

ワンドリンクサービス(1回の提示で4名様までに限り)

ご利用期限:2021年9月30日まで

  • ※ご利用条件:ディナーをご利用の際にこのクーポンをご提示ください。
  • ※現金への引き換えやつり銭のご対応はしておりません。
  • ※他の割引券等は併用いただけません。
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